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【プロフェッショナル趣味の流儀vol.4】道なき道も好奇心をもって楽しむ
道なき道も好奇心をもって楽しむ
ハンター・三石 晃史(みついし こうじ)
「念のために」を、厭わない
午前4時半。夜明けとともに目的の地へと向かう。ハンター三石が選んだ場所は、長野県と群馬県の県境に位置する山域である。調査、経験、天候、装備。全ての状況を鑑み、確実にターゲットを仕留めるべくその時期、その地を決める。
「念のため、集合時間を予定より早めましょう。競合の激しいエリアなので、先客がいるとターゲットが現れないこともありますから。」
目的のためなら労を厭わない姿勢。他者を圧するスタートダッシュ…。
この日ターゲットとするのは『タケノコ』。姫竹、根曲がり竹の愛称で呼ばれ、灰汁が少なく小さくて柔らかい、知る人ぞ知るあれである。この時期しか取れない絶品食材のため、ひと足違えば壮絶な戦地となる。この日三石は、隊を編成し、ハントに挑む。
「おはようございます~」斎藤先生。担当科目は社会。
「熊除けの鈴持ってきました!」さくら隊員。吹奏楽団在籍。
一末の不安が残る隊編成だが、いざ。
道なき道の中に足を踏み入れるあくなき探究心
現地に到着し、採取ポイントの選定に入る。見渡す限り舗装された道路のほかに道のようなものは、ない。背丈をゆうに越える笹薮の壁が続くばかりだ。どこから入るのかもわからない道なき道であるが、ひとたび足を踏み入れれば舗装された道路からは見えなかったものが次々と見えてくるのだという。
「この辺から入りますか。道らしい道はないので、笹を掻き分けていきます。跳ね返りが強くて、刺さったり体が宙に浮いたりするので気をつけて!」
刺さったり、宙に浮いたり。
必要となるのは、この先にはどんなターゲットが待っているだろうとわくわくする子どものような「好奇心」「探究心」それだけである。
「では、いってきます。」
踏み入ろうとする右手は、笹の壁、壁、壁…
背丈よりも高い壁の中に分け入る
さらに分け入る
皆が見落としがちな場所にも目を光らせ見逃さない
笹薮に一歩踏み入れた途端、その眼光は鋭く光る。跳ね返りの強い笹を掻き分けながら、視界の悪い笹薮の中を進む。一見見落としてしまいそうな枯葉に隠れた姿や、手を入れづらい激しい藪地帯であっても、上物とあらば見逃さない。その経験と持ち前の勘のよさで次々と収穫していく。
「ほらそこ、足元。今日イチの上物いるよ!その先にも!1本あるところには必ず2本3本ある。慣れてくると向こうから見つけてくれってアピールしてくるから。」
タケノコ好きがタケノコにも伝わるのか、なんだかタケノコもプロに見つかることが誇らしいかのように、その姿を現す。
鋭い眼光でターゲットを探すハンター
「ほらそこにも!右手の上15センチ!」
目線の先には、朝露をまとった食べごろの根曲がり竹
常に仲間への声がけ気配りと方向指示
笹薮では2mも離れると姿が見えなくなるため、常に隊員の位置確認と声がけが非常に重要となる。立ち上がっても見渡す限りひたすら藪という状況の中、タケノコのために命を危うくする人も後を絶たない。三石は常に仲間への声がけを行い無事を確認、向かうべき方向を指示しながらも、その手を休めることはない。
「さくら隊員、無事ですかー?採れてますかー?ちょっと声が遠いので離れないように!あと10分でいったん戻りますよ!」
フォロー。成果。声がけ。納期。仲間を励ましながら成果が出るように導くのも役目だ。
プロの指導により才覚を発揮し、豊作のさくら隊員
プロは自らもビッグな成果を持ち帰る
この日の収穫は1時間で356本
素材を最大限に活かす方法を熟知
1時間ほどでエリアのタケノコを採り尽くした三石は、見晴らしのよい展望スペースに向かう。ここで採れたてのタケノコをいただくのだという。この日三石が用意したのは、タケノコの姿焼きと鯖竹汁。長年の経験がうかがえる手さばきでサッと作った料理は、当然、そして想像以上に、美味い。
「採ってすぐに食べるとこんなに柔らかいんだって知らなかったです。家に帰ってから食べるのと数時間の差ですけど違うものですね。」
幾度となく経験したことでも新しい発見を素直に喜ぶ姿勢と、素材の味を最大限に引き出すための改善、工夫。タケノコにとっても本望であるに違いない。
斎藤先生のワイルドすぎる皮むきを徹底指導
焼くこと10分。皮をむいて醤油マヨでいただく
プロフェッショナルのこだわり
「正解はひとつじゃない。状況、時期、必要に応じてアウトプットを変えること」
あるときはコールセンター長、またあるときは採用戦略室長。新宿・長野・山梨とエリアをまたいで複数部署の責任者を兼任している。数百人の女性契約社員を統括する立場において、自然の中で養った鋭い観察眼による気付き、気配り、フォロー力を携え、多くの社員から信頼される責任者として組織を統括している。
素焼き、サバ竹汁。煮物、天ぷら、タケノコご飯…。正解はひとつではない。素材をを活かした組織作り、より強い企業とため日々応用を効かせ邁進している。
プロフェッショナルとは
道なき道も好奇心をもって楽しむ。その先に具体的な成果を出せる人だと思います。
【プロフィール】
1974年生まれ。
北里大学在学中に海外農業研修生制度を利用し1年間渡米する。「卒業後も外国人の方と一緒に仕事をしたい」という願いのもと、国際電話通信会社の日本在住外国人向け通信サービスの営業部門にて、同じく日本在住の外国人オペレーター部隊を指揮。
入社2年目から海外営業支店の立ち上げで、マニラやバンコク、香港など主に東南アジアにて活動。
30歳を前に長野にUターンし、情報システム部門メンバーとして、綜合キャリアグループ入社。
その後、前職での経験を活かし、長野・山梨・新宿の各コンタクトセンターの責任者に就任。
日々、対応品質と生産性の向上に注力している。
M澤たま
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