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「内定の取れる身だしなみ」 ~就活で「身だしなみ」がどれだけ大切なのかを歴史上の人物で解説してみた~

働くってどういうこと? 仕事って何? どうして就活しなければならないの?
悩み多き就活という戦場で戦っているあなたに、熾烈な戦国時代を勝ち抜いてきた武将たちがアドバイスします!!
戦国の世で培った体験談や対談を通じて、あなたにメッセージを送ります!!

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・伊達 正宗(通称:マサ) ≪就活中≫
性格:豪快な性格で、人より目立つことをするが好き。
派手なパフォーマンスをして人を惹きつけるリーダータイプ。
時々空気の読めない言動(ボケ)をかまして、周囲を困惑させる。

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・前田 慶次(通称:ケイ) ≪就活中≫
性格:奇抜なことをするのが好き、皮肉を言うのが好きな毒舌家。
自分が信じる価値観を持っている。
マサムネをライバル視している面も…。

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・山内 一豊(通称:カズ) ≪就活中≫
性格:真面目で目立たないが、コツコツと取組む努力家。
社会のルールはしっかり守るが、ルールに捉われすぎて自分を見失うことも。
図らずとも周囲の目が届かないところで、漁夫の利を掠め取ることがある。

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・山内 千代(通称:チヨ) ≪就活中≫
性格:しっかり者で明るく、みんなから頼りにされる存在。
偶然にも一豊と同姓だが、一豊と違って極めて常識的に行動できる。
困っている人を見ると放っておけない、少々おせっかい。

≪第二部≫
◇集団面接でビックリ!派手なパフォーマンス(格好)は自分アピールをできるもの?
今日は、とある企業で集団面接が行われる日だった。
選考に残った学生、山内一豊は集合時間に十分間に合うように受付を済ませると、
係りの社員に案内されて面接会場へ向かった。
面接官に何を聞かれるのか、何を話さなければならないのか、昨日までスラスラ暗唱できたPRポイントも
すっかり忘れてしまった。面接に受かる気がしない…!

面接会場にはまだ誰も到着していなかった。
こじんまりとした部屋の中は学生側の椅子が4脚、向かい側に面接官のテーブルが並んでいる。
一豊は緊張でガチガチになりながら学生側の席に座ると、開始時間になるのを待った。

しばらくして2人目の学生が会場に入ってくる。
学生は唯一の女性の友人で、いつもナイスなアドバイスをくれる山内千代だった。

チヨ「カズトヨ!」

会場に誰もいなくなったのを見計らって、千代が話しかけてきた。

カズ「チヨさん。同じ選考だったね」
チヨ「うん。ちゃんと新しいスーツを着てきたね!」
カズ「…でも何で新しいスーツ? 前のがまだ着れたのに…」
チヨ「あれはヨレヨレになってたからダメだよ。面接官は、着ているものも見ているんだよ」

そういう千代も、シワのない清潔に見えるスーツを着ている。

カズ「そうなんだ…」

そのとき3人目の学生が、企業担当者に案内されて面接会場に入ってきた。
一豊も千代もよく知っている学生で、大学の友人だった。

チヨ・カズ「マサムネ!?」

伊達正宗はホストが着るような光沢のある濃紺のスーツに、派手なモノトーンの柄の入ったネクタイを着けて、颯爽と笑顔を振りまきながらやってきた。

チヨ「どうしたの、その格好!?」
マサ「似合っているだろ。俺に合ったスーツを着て、自分の魅力をアピールしないとな。これアルマーニだぜ」
チヨ「あのねぇ…」

千代がため息をついたそのとき、最後の4人目の学生が部屋に入ってきた。

長い髪をポニーテールのように束ねて、グレンチェックのスーツに緑のネクタイ、オレンジのソックス。
顔にもしっかり俳優メイクを施した学生は、どこから見ても立派な男子だった。

チヨ・カズ・マサ「ケイジ・・・!?」

前田慶次は自信満々な表情で3人のところにやってきた。
政宗と目が合うと、フフンと鼻で笑った。

ケイ「俺の方がイカす!トータル的に俺の方がポイント高いね!」

政宗は眉を吊り上げて、椅子から立ち上がった。

マサ「なんだと、このヤロ。お前のそれ、店の店員に上から下まで選んでもらっただけだろ。
オリジナリティがないんだよ。今時長髪なんて流行らねーし、ダサイ」

ケイ「お前なんか、もろホストじゃん!」
マサ「なんだと!」
ケイ「やんのか!」
カズ「やめてよ、2人とも!」

一豊が千代の前でいい格好をしようと焦って、政宗と慶次の前に立ちはだかった。

カズ「面接官の人が来るよ!静かにしようよ。…それに、スーツは黒か紺かグレーだよ」
マサ・ケイ「何でだよ!!」

政宗と慶次が一豊を見下ろし、同時に叫んだ。

カズ「えっ?」
マサ・ケイ「だから何でなんだよ。何でスーツは黒か紺かグレーなんだよ?」
カズ「え~っと…決まりだからだよ」
マサ・ケイ「何だよ、決まりって。そんなん、誰が決めたんだよ!」
カズ「え~っ?…それは…誰かな?」

迫力のある2人に押されて、一豊がじりじりと後ずさりする。

チヨ「そのくらいにしといてやれよ」

千代が肩をすぼめて呆れたように言った。

チヨ「身だしなみを整えるのは大事なことだよな。例えば…。
あの~すみません、そちらの方、少しこちらに来ていただけますか?」

千代はいつの間にか面接会場に入ってきた年配の男性に声を掛け、自分たちの近くに呼んだ。
千代たちの父親くらいだろうか。素直に千代の呼びかけに従ってやって来た。

「はい、ありがとうございます。
いいか、3人共、この方は社会人だ。社会の第一線で活躍している方だ。この方と一番よく似た服装をしているのはマサムネ、ケイジ、カズトヨのうち誰だと思う?」

マサ・ケイ・カズ「え?」

3人は顔を見渡して、お互いの着ているスーツを見比べた。

マサ・ケイ「まあ、近いのはカズかな」
チヨ:「そうだな。この人とよく似た格好をしているのは、カズだ。真面目そうで、信頼がおけそうだ。実際、カズが本当に真面目かどうかは分からないよ?でも、この社会人の方と同じような格好をしていると、カズは信頼できそうだと思うだろ」

3人は、ふむふむと千代の話に聞き入っている。
千代は次に、政宗と慶次に向き直って言った。

チヨ「きみらはどうだ?自分に似合う、自分が好きなスーツを着てきた。でも、この方とは何か格好が違う…派手だよな。実際似合っているかもしれないよ。でも社会人の方と格好が違うから、真面目、信頼できるようには見えない。本当のきみらは信頼できるんだけど、その服装ではそれが相手に伝わらないんだよ」

政宗と慶次は神妙な顔つきで、千代の話を聞いている。

千代は続けて政宗に言った。

チヨ「マサムネ、例えば面接の場面で面接官に“お客様の求めることを察知して動けるか”と聞かれるとするじゃないか。きみはどう答える?」
マサ「もちろん、“お客様の求めることを察知して動きます”って言うに決まってるだろ」
チヨ「そうだよな。でも会社の社員と同じような黒・紺・グレーのスーツが着れないきみに、企業の求めるものが察知できるとは思えない…つまり、お客様の求めることは察知できないと相手に思われるんだよ」
マサ「ま、マジ寿司か!そんなとこまで読まれるのか!?」

慌てる正宗に、千代はニヤリと笑った。そして慶次をチラリと見る。

チヨ「そうだ。シビアだろ。それにケイジ、きみは面接官に“お客様のために自分ができる限りのことはできるか?”と聞かれるとするじゃないか。どう答える?」
ケイ「そりゃ“お客様のためにできる限りにことはする”と答えるさ」
チヨ「じゃ、お客様のために髪を切って来いって言われたら?」
ケイ「え?それお客様とカンケーある?これ俺のポリシーだから」
千代「正直、イヤだろ。でも長髪の男子を快く思う顧客ばかりじゃない。チャラチャラした担当がいる会社とは取引しないという企業もあるんだ。だから髪を短くしろってことだが、問題なのはそこじゃない。ケイジ、きみが“お客様のためにできる限り”と言っていながら“髪は切れない”っていう、言動不一致が不信感を招くんだ。だから、相手はきみを信用できないと思うんだ」
ケイ「ヤベェ寿司!そんなとこまで見られているのか!?」

慶次はたじろぎ、自分の髪をつまんだ。
そして、政宗と慶次はお互いのいでたち見ながらつぶやいた。

マサ「スーツが自分に似合うかどうかは、重要じゃなかったんだな」
ケイ「身だしなみで相手に信頼してもらえるかどうかが、本当のポイントだったんだな」

それを聞いて千代も満足げに頷いた。

チヨ「実はそこだ。学生が黒・紺・グレーのスーツで、身だしなみを整えて面接を受けるのはそんな理由からなんだ」

男性「その通りです!」

突然、それまでカーネルおじさんのように黙っていた面接会場の男性が叫んだ。
4人は、一体何事かとビクッとなって振り返った!
先ほど千代に呼ばれてやって来た年配の男性だ。ひっそりとその場にたたずんでいたようだ。

男性「山内千代さんですよね。あなたにこれを渡します」
チヨ「はぃ?」

年配の男性は、スーツの内ポケットから長方形の封筒を取り出した。
その封筒を千代に渡す。中を開いてみると、それは内定通知だった。

男性「うちにきてくださるよね?」
千代「はぁ」

千代は正直、そんなスーツの内ポケットに入っていたようなクシャっとした内定通知を受け取るのはイヤだったが、空気を読んでそこは受け取ることにした。
男性は満足そうに頷くと政宗、慶次、一豊に向き直って言った。

男性「あなたたちにも、もう1回だけチャンスを上げます。山内さんの言ったことを振り返って、明日、同時刻にここにきてください。そこで正式に面接をしますから」

密かに女性っぽい口調が気にならないこともないが、実はこの父親ほどの年配男性、れっきとした面接官だったらしい。

☆☆☆

翌日、同時刻に集合面接を受ける政宗、慶次、一豊の姿があった。
スーツは地味にすっきり、ピシッと着こなし、髪はさっぱり、ネクタイ、ソックスもばっちり。

例の面接官が「身だしなみ」をお題にして、政宗達の動向を確かめていた。
政宗達が自分で言ったことをきちんと実行できるかどうか、言動の不一致はないかどうか。
そういう意味で、昨日同時刻からすでに面接が始まっていたのだ。
そのことをこの就活男子達が知ったのは、内定通知をもらってからずっと後のことだった。

≪解説≫
・就活用のスーツの色は、黒、濃紺、濃グレーがベスト。入社後も仕事着として着用するので、社内人として着用できるものを用意する。いわずもがな、光沢のあるもの、派手なチェック柄はNG!
・男性のネクタイは派手な色合いを避ける。服装でプラス評価になることは少ないが、マイナス評価になることは多大にあるので、根本的に“服装で目立つ”という考えを改めること。
・面接を含め、企業に訪問するときは身だしなみに注意する。家を出るときに、もう一度鏡の前でチェック!
 身だしなみポイントは鏡さえあればどこでもすぐチェックできるので、やってみよう!
・言動の不一致に注意する。振舞いや表情、身だしなみと、発信内容などの言葉が一致しないと、本人の信頼性が落ちる。言うことはしっかり言うけど、自分では何もやらない人が、信頼されないのと同じ。言うからには実行しよう!
・企業の面接官は、企業の至るところにいるということを忘れずに!
常に学生の動きは見られているし、会話は聞かれているよ!!

≪伊達政宗からのメッセージ≫
「曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く」
不安や心配事ばかりで目の前が真っ暗になっても、月の光が暗闇を優しく照らすように、自分が信じた道なら、必ずその先の光は見えてくる。失敗してもいいから、決して諦めないで、自分が信じた道をまっすぐに進めよ!

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おっG

1784年入社♀(一応)人事教育長【得意ワザ】教育的指導 日本語 犬会話性格診断 教育プログラム実施委員をしている渡米在住暦ありの日本国籍エリーナO.Gです。9年間のバレーボール人生から、なぜかジャズトランペッターに。R&Bをこよなく愛し、歌うことと世界中の犬を溺愛しすぎ迷惑がられています。

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